営業リストの作り方|ChatGPTでターゲット精度を高める実践方法

はじめに
新規開拓営業では、「誰に営業するか」が成果を大きく左右します。どれだけ営業トークや提案内容を改善しても、自社の商品・サービスと合わない企業ばかりにアプローチしていては、成果にはつながりにくくなります。そのため、営業リスト作成は単なる企業情報の収集ではありません。「自社が本当に営業すべき企業を見つけること」が、本来の目的です。Passage株式会社でも、実際の営業支援業務で、多数の企業・店舗から営業対象となる候補を抽出する必要がありました。そこで、従来の企業データベースや検索システムに加え、ChatGPTやCodexを活用して営業リストの作成・精査・情報収集・スプレッドシートへの反映を行っています。実際に活用して感じたのは、ChatGPTの価値は「営業リストを早く作れること」だけではないということです。
この記事の結論
AIを営業リスト作成に活用するときに重要なのは、企業名を大量に生成させることではありません。ターゲット条件と除外条件を具体的に定義し、抽出した企業が「本当に営業対象として適切なのか」を確認しながら、検索条件とリストを改善していくことが重要です。
さらに、企業名が決まった後の、
- 電話番号の調査
- 情報源の確認
- 出典URLの記録
- スプレッドシートへの転記
- 表記統一や重複確認
といった作業にもAIを活用できます。Passageでは、ChatGPTで候補企業の抽出やターゲット適合の判定を行うだけでなく、Codexを使って既存のスプレッドシートを参照し、企業名に紐づく電話番号とその情報源URLを調査し、確認した情報をスプレッドシートへ反映するといった運用も行っています。つまり、AIに企業を探してもらうだけではなく、AIを営業リスト作成という一連の業務プロセスに組み込むという考え方です。Passageで実際に運用した際も、既存システムで条件検索して抽出したリストと比べて、ChatGPTを使って調査・精査したリストの方が、営業対象に近い企業が集まっていると感じました。実際にテレアポを行った際にも、担当者や意思決定に関わるキーパーソンへ接触できる企業が増えたように感じています。ただし、これはリスト作成方法以外の条件をそろえた比較実験によって効果を検証したものではなく、実際の営業現場での所感です。本記事では、Passageが実際の営業支援業務で行っている方法をもとに、ChatGPTやCodexと人の役割をどのように分ければ、「営業に使えるリスト」を効率的に作れるのかを解説します。
※ChatGPTの機能に関する記述は、2026年9月時点のものです。機能や利用上限は変更される可能性があります。

営業リストとは
営業リストとは、新規開拓などの営業活動でアプローチする企業・店舗・担当者などの情報をまとめたリストです。会社名や電話番号が大量に並んでいるだけでは、質の高い営業リストとはいえません。営業で実際に使うためには、少なくとも次の状態になっている必要があります。
- 自社の商品・サービスとターゲットが合っている
- アプローチに必要な情報がそろっている
- 企業情報が正しい
- 重複していない
- 実際にアプローチできる相手である
- 営業結果を記録できる
特に新規開拓では、リストの「件数」だけでなく、実際に営業できる企業がどの程度含まれているかが重要です。
営業リストに必要な主な項目
必要な項目は、営業手法によって異なります。BtoBの新規開拓であれば、次のような項目を用意しておくと管理しやすくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企業名・店舗名 | 正式名称 |
| 業種 | IT、飲食、小売など |
| 所在地 | 都道府県、市区町村、住所 |
| 電話番号 | テレアポで使用 |
| Webサイト | 企業情報の確認 |
| 事業内容 | ターゲット適合の判断 |
| 担当部署 | 営業、総務、情報システムなど |
| 担当者・役職 | 分かる場合に記録 |
| 抽出理由 | なぜターゲット候補にしたのか |
| ターゲット適合 | 対象候補・要確認・対象外 |
| 情報源URL | 情報を確認したページ |
| 確認日 | 情報を確認した日付 |
| 確認者 | 最終確認を行った担当者 |
| 営業結果 | 接触、アポイント、NGなど |
| 備考 | 次回対応や確認事項 |
AIを使って営業リストを作成する場合は、特に「情報源URL」「確認日」「確認者」を記録しておくことをおすすめします。AIが提示した情報と、人が確認した情報を区別できる状態にしておくためです。
ChatGPTを活用した営業リスト作成の基本的な流れ
Passageでは、ChatGPTを使った営業リスト作成を次のような流れで考えています。
| ステップ | ChatGPTが支援しやすい作業 | 人が行う作業 |
|---|---|---|
| 1. ターゲット・除外条件の設定 | 条件の整理・言語化 | 条件の決定 |
| 2. 検索範囲の分割 | 業界・地域の整理 | 分割方法の判断 |
| 3. 候補企業の抽出 | Web上から候補を調査 | 抽出条件の確認 |
| 4. 最低限の事実確認 | 情報源の探索 | 実在・基本情報の確認 |
| 5. ターゲット適合の再判定 | 一次判定・理由の整理 | 判定理由の確認 |
| 6. 判定結果を検索条件へ反映 | 対象外の傾向を整理 | 条件の修正 |
| 7. 最終確認・リスト整理 | 表記統一・重複候補の抽出 | 最終的な除外判断 |
| 8. 営業結果の反映 | 結果分析の補助 | ターゲット条件の改善 |
この中でも、Passageで特に重要だと感じたのが、「5. ターゲット適合の再判定」です。ChatGPTに企業を探してもらうだけで終わらせず、
この企業は、今回の営業対象として本当に適切なのか?
という視点でもう一度確認します。
1. ターゲット条件と除外条件を具体化する
最初から「東京都にある○○業界の会社を100社出してください」と依頼することはおすすめしません。まず、どのような企業を営業対象にするのかを具体化します。例えば実店舗をターゲットにする場合でも、実際の営業活動まで考えると、条件は次のように細かくなります。
- 対象地域
- 業種
- 店舗規模
- 独立店舗か、チェーン店か
- 店舗に直接電話できるか
- 本部で一括して意思決定していないか
- 商業施設内の店舗か
- オーナーや責任者へ接触できる可能性があるか
ここで重要なのは、「どのような企業を探すか」だけでなく、「どのような企業を除外するか」も決めることです。例えば、次のような条件です。
- 大規模チェーンは除外する
- 本部で一括契約している企業は除外候補にする
- 店舗側に意思決定権がなさそうな企業は要確認にする
ChatGPTへの指示例
新規開拓営業のターゲットリストを作成したいです。
現在考えている対象条件は以下です。
・東京都内
・実店舗を運営している
・店舗へ直接電話できる可能性が高い
・現場の責任者やオーナーへ接触できる可能性がある除外したい条件は以下です。
・大規模チェーン
・本部で一括して意思決定している可能性が高い企業
・店舗側でサービスを選定できない可能性が高い企業営業リストを作成する前に、追加で定義した方がよい対象条件と除外条件を整理してください。
ChatGPTにターゲットそのものを決めてもらうのではありません。人が考えている営業条件を整理し、抜け漏れを見つけるために使うという考え方です。

2. 業界と地域を細かく分ける
実際に営業リストを作成していて特に重要だったのが、一度に広すぎる範囲を調査しないことです。例えば「東京都内の小売店」では、対象範囲が広すぎます。そこで、まず業界を細かく分けます。
小売
↓
- 花屋
- アパレル
- 雑貨店
- 家具店
- その他の専門店
さらに必要に応じて、業界 × 地域まで分割します。
- 花屋 × 世田谷区
- 花屋 × 港区
- アパレル × 渋谷区
Passageでは、業界ごとにリストを作成し、その都度ターゲットとの整合性を確認してから次の業界へ進めました。重要なのは、「AIが何件出せるか」ではなく、「人が内容を確認できる単位になっているか」です。小さい単位で抽出 → 確認 → 条件修正 → 追加抽出を繰り返した方が、対象外の企業の混入にも気づきやすくなります。
3. ChatGPTのWeb検索で候補企業を抽出する
対象条件が決まったら、ChatGPTのWeb検索を使って候補企業を調査します。ChatGPTでは、Web上の情報を検索し、出典を示しながら回答させることができます。ただし、出典が示されていても内容が正しいとは限りません。重要な情報は、元の情報源まで確認してください。例えば、次のように依頼します。
以下の条件に該当する企業・店舗をWeb検索で調査してください。
【対象条件】
・東京都○○区
・○○業界
・実店舗がある
・店舗へ直接電話できる可能性が高い【除外条件】
・大規模チェーン
・本部で一括して意思決定している可能性が高い企業
・商業施設などのルールにより、店舗側で自由にサービスを選択できない可能性が高い店舗候補は最大20件まで出してください。
以下の項目を表形式で整理してください。
・企業名/店舗名
・住所
・電話番号
・Webサイト
・対象条件に該当すると判断した理由
・確認した情報源URL確認できない情報は推測せず、「確認できず」と記載してください。
また、以下の企業は取得済みのため除外してください。
【既出企業】
○○
○○
○○
ここでは例として最大20件としていますが、20件が最適という意味ではありません。実務では、人が内容を確認できる件数に調整することが重要です。対象外の企業が多ければ件数を減らし、問題が少なければ追加で抽出します。また、企業名だけを出力させるのではなく、「なぜ今回のターゲットに該当すると考えたのか」まで記載させることも重要です。
4. まず最低限の事実を確認する
候補企業が出てきたら、いきなり「対象」「対象外」を決めるのではなく、まず判定の前提となる基本情報を確認します。最低限確認したいのは、次の項目です。
- 企業・店舗が実在しているか
- 現在も営業しているか
- 所在地
- Webサイト
- 電話番号
- 業種
先に確認するのは、誤った情報をもとにターゲット適合を判定すると、本来は営業対象になる企業まで除外してしまう可能性があるからです。公式サイトがある場合は、公式の情報を優先します。個人店舗などで公式サイトがない場合は、次のような情報源を確認します。
- 公式SNS
- Googleマップなどの店舗情報
- 業界・地域のポータルサイト
- 法人情報
この段階で、すべての情報を詳しく調べる必要はありません。ターゲット判定の前提になる重要な情報が正しいかを確認することが目的です。
5. 抽出した企業が「本当にターゲットか」を再判定する
最低限の事実を確認したら、あらためてターゲット条件への適合を判定します。今回の営業リスト作成で、Passageが特に重視した工程です。重要なのは、「候補を探してください」という依頼から、「この企業は、今回の営業対象として本当に適切ですか?」という評価の工程へ切り替えることです。判定の際は、対象条件・除外条件・確認済みの企業情報を渡し、理由まで出力させます。判定は、候補を抽出したチャットとは別のチャットで行うことをおすすめします。同じ会話の中で続けて判定させると、AIが自分の出した候補を肯定しやすくなるためです。
判定用プロンプト例
以下の企業について、今回の営業ターゲットとして適切かを1社ずつ判定してください。
【判定基準】
・対象業種に該当しているか
・想定する規模に合っているか
・店舗へ直接アプローチできる可能性があるか
・本部決裁の可能性が高くないか
・大規模チェーンではないか
・今回の営業対象から除外すべき特徴がないか「対象候補」「要確認」「対象外」の3段階で判定してください。
各社について、以下を記載してください。
・判定結果
・判定理由
・根拠となった情報
・情報源URL根拠が確認できない場合は推測せず、「要確認」にしてください。
【確認済みの企業情報】
(企業名・住所・Webサイト・確認した情報など)
例えば、次のような形で整理します。
| 企業 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| A社 | 対象候補 | 独立店舗で、店舗直通の電話番号を確認 |
| B社 | 要確認 | 複数店舗を展開しており、本部決裁の可能性がある |
| C社 | 対象外 | 全国展開する大規模チェーン |
ここで重要なのは、AIの判定そのものを正解として扱わないことです。見るべきなのは、判定の理由です。特に「対象外」とする場合は、除外の理由となる事実が確認できているかをチェックします。根拠が弱い場合は、無理に除外せず「要確認」として残します。これにより、AIの誤判定で本来の営業対象を落としてしまうリスクを減らせます。
6. 判定結果を次の検索条件へ反映する
ChatGPTを使った営業リスト作成で重要なのは、1回の検索で完璧なリストを作ろうとしないことです。実際に候補を確認していくと、次のような問題が見つかります。
- 商業施設内の店舗が多く含まれる
- 同じ運営会社の店舗が複数含まれる
- 大規模チェーンが混ざる
- 店舗名は違うが、同じグループである
- 店舗は存在するが、営業対象として適切ではない
その場合は、次のように条件を修正し、次の抽出に反映します。
- 商業施設内の店舗を除外する
- 同一ブランド・同一運営会社を確認する
- 本部決裁の可能性が高い場合は「要確認」とする
つまり、次のようなサイクルです。
条件設定 → 候補抽出 → 基本情報の確認 → 適合判定 → 対象外になった理由の確認 → 条件修正 → 再抽出
この改善を繰り返すことで、少しずつターゲットに近い企業が集まりやすくなります。
7. 最終確認してスプレッドシートへ整理する
営業候補として残った企業は、実際に営業で使える状態まで確認します。特に次の項目は、必要に応じて再確認します。
- 電話番号
- 所在地
- Webサイト
- 運営会社
- 営業状況
- ターゲット条件
ChatGPTは、アップロードしたExcelやCSVなどのデータを分析・整理する用途にも使えます。例えば、次のような作業です。
- 列の並び替え
- 法人格の表記統一
- 全角・半角の統一
- 住所の整形
- 空欄の確認
- 重複候補の抽出
重複は企業名だけで判断しない
企業名だけを基準にすると、表記ゆれによって重複を見落とすことがあります。そのため、次の項目も照合します。
- 電話番号
- Webサイトのドメイン
- 住所
- 運営会社
一方で、次の判断は人が行います。
最終的にリストから除外するのかなどです。
同名だが別の企業なのか
同じ会社の別店舗なのか
同じブランドでも運営会社が違うのか
8. 営業結果を次のリスト作成へ反映する
営業リストは、作成して終わりではありません。実際に電話をかけると、次のようなことが分かります。
- この業界はキーパーソンへ接触しやすい
- この業態は本部管理が多い
- この規模では店舗側に意思決定権がない
- このタイプの企業は反応が良い
- この条件では対象外の企業が多い
そこで、リスト作成 → 営業 → 結果分析 → ターゲット条件の修正 → リスト再作成というサイクルを回します。
例えば、ChatGPTに次のように依頼すれば、営業結果を次の条件設定に活用できます。
アポイントにつながった企業と、担当者へ接触できなかった企業の特徴を比較してください。
次回のリスト作成条件として、追加・削除した方がよい条件を整理してください。
Passageでは営業リストを、固定された「企業名簿」ではなく、営業活動を通じて改善していくデータとして考えています。

AI活用で営業事務・バックオフィス業務を標準化する
ChatGPTによる営業リスト作成は、担当者個人の作業を速くするだけではありません。プロンプトや確認基準をテンプレート化すると、業務そのものを標準化しやすくなります。
例えば、次のようなルールです。
- 必ず情報源URLを記録する
- 確認できない情報は「確認できず」とする
- 「要確認」の企業は人が確認する
- 確認者が未記入の企業には架電しない
- 対象外にした理由も残す
- 同じ業界では同じ判定基準を使う
これまで担当者の経験に頼っていたリスト作成を、誰が担当しても同じ手順で確認できる業務へ変えていくことができます。これは、営業事務やバックオフィス業務の効率化という観点でも大きなメリットです。企業名簿」ではなく、営業活動を通じて改善していくデータとして考えています。
実際にChatGPTで営業リストを作成して感じたこと
ここからは、Passageが実際の営業支援業務でChatGPTを営業リスト作成に活用して感じたことを紹介します。
既存システムから抽出したリストより、ターゲットに近いと感じた
企業データベースや営業リスト作成システムは、業種・所在地・売上・従業員数など、あらかじめ構造化された条件で大量の企業を絞り込むうえで非常に便利です。
一方で、実際の営業では、それだけでは判断しにくい条件があります。
- 店舗と本部のどちらが意思決定するのか
- 商業施設側のルールに左右されるのか
- 同じ運営会社の店舗が複数混ざっていないか
また、実際に既存のリストを確認すると、同じ企業・ブランドの重複、似た名称の別店舗、以前使われていた店舗名、電話番号の不一致など、人による確認が必要なケースもありました。ChatGPTでは、「この企業は今回の営業対象として本当に適切か」という、データベースでは検索条件にしにくい観点も、自然な言葉で条件に加えられます。さらに、候補を確認しながら条件そのものを修正できます。そのため現場の感覚としては、既存システムから取得したリストよりも、ChatGPTを使って作成・精査したリストの方が、今回狙っていたターゲットに近いと感じました。
キーパーソンに接触しやすいリストになった感覚があった
テレアポの場合、営業リストの品質は、「電話番号が存在するか」だけでは判断できません。重要なのは、その電話番号から、担当者や意思決定に関わる人へ接触できる可能性があるかです。今回の運用では、次のような条件も確認しながらリストを作成しました。
- 店舗直通の電話があるか
- 独立店舗か
- 本部管理ではないか
- オーナーや責任者が店舗にいる可能性があるか
結果として、既存システムから取得したリストと比べて、担当者やキーパーソンへ接触できる企業が増えたように感じています。ただし、リスト作成方法以外の条件をそろえた比較実験ではないため、接触率の違いをChatGPTによる効果だと断定することはできません。
「実在する企業」と「営業すべき企業」は別
営業現場で実際に架電まで行ったことで強く感じたのは、「企業の属性がターゲットに合っていること」と「営業相手としてアプローチしやすいこと」は別だということです。営業リストは、次の4つを分けて確認すると整理しやすくなります。
- 企業・店舗が実在するか
- 電話番号や所在地などの情報が正しいか
- 自社のターゲット条件に合っているか
- 実際に営業しやすい相手か
例えば、店舗が実在し、電話番号も正しくても、決裁権が本部にある、店舗側でサービスを選べない、キーパーソンへ接触しにくい、といった場合は、営業対象としての優先度は下がります。ChatGPTを活用する価値の一つは、3と4のような定性的な条件についても、候補企業ごとに検討しやすくなることです。
ChatGPTと企業データベースはどちらが優れているのか
どちらか一方が優れているというより、得意なことが異なります。
| 企業データベース | ChatGPT | |
|---|---|---|
| 得意なこと | 大量の企業抽出・母集団づくり | 調査・定性的な条件による精査 |
| 主な条件 | 業種、所在地、売上、従業員数など | 本部決裁、独立店舗、接触可能性など |
| 網羅性 | 比較的高い | 網羅的な企業データベースとして使うものではない |
| 条件の変更 | 用意された検索項目が中心 | 自然な言葉で柔軟に条件を追加できる |
| 適した使い方 | 数百〜数千社規模の母集団づくり | 小さな単位での調査・精査 |
大規模な営業活動であれば、企業データベースで母集団を作り、ChatGPTでターゲットへの適合を精査するという方法が考えられます。一方、業態が細かい、小規模店舗を探したい、Web上の情報から定性的に判断する必要があるといった場合は、最初からChatGPTを使って小さな単位に分けて調査する方法も考えられます。

ChatGPTで営業リストを作る際の注意点
AIの判定だけで営業対象を決めない
ChatGPTによる適合判定は、あくまで一次判断です。生成AIは、誤った内容をもっともらしく回答することがあります。最終的に営業対象とするかどうかは、人が根拠となる情報を確認したうえで決定します。
情報の鮮度を確認する
企業・店舗の情報は、閉店、移転、電話番号の変更、社名変更、合併、運営会社の変更などによって変化します。以前作成した営業リストを再利用する場合も、必要に応じて最新の情報を確認します。
機密情報や個人情報の扱いを確認する
顧客情報、担当者情報、営業履歴などをChatGPTへ入力する場合は、自社のAI利用ルールと、利用しているプラン・ワークスペースでのデータの取り扱いを確認します。必要に応じて、企業名や担当者名などを匿名化して利用します。
メール営業では関連法令を確認する
営業リストを広告宣伝メールに使う場合は、特定電子メール法などのルールを確認する必要があります。広告宣伝メールは、原則として事前の承諾が必要です。ただし、営業用として公表されているメールアドレスへの送信など、一定の例外もあります。また、広告宣伝メールの受信を拒否する旨が表示されている場合などは、扱いが異なります。問い合わせフォームを営業目的で使う場合も、送信先サイトの利用規約や、営業連絡を禁止する表示がないかを確認したうえで運用します。
営業リスト作成に関するよくある質問
ChatGPTだけで営業リストを作れますか?
候補企業を調査し、ターゲット条件に合っているかを精査する用途には活用できます。ただし、ChatGPTは企業データベースそのものではありません。市場に存在する企業を網羅的に取得したい場合は、企業データベースや公的データなどと組み合わせる方が適している場合があります。
ChatGPTでは何件ずつ営業リストを作ればよいですか?
一律の正解はありません。重要なのは、抽出結果を人が確認し、条件の良し悪しを判断できる単位にすることです。本記事ではプロンプト例として最大20件としていますが、これはあくまで例です。対象外の企業が多ければ件数を減らし、問題が少なければ追加で抽出します。
ChatGPTで作った営業リストは、そのまま営業に使えますか?
そのまま使うことはおすすめしません。少なくとも、実在、所在地、電話番号、Webサイト、ターゲット条件との適合、重複を確認したうえで使用してください。
営業リストの精度を高めるポイントは何ですか?
「どんな企業を探すか」だけでなく、「どんな企業を除外するか」まで定義することです。そのうえで、抽出した企業のターゲット適合をあらためて判定し、対象外になった理由を次の検索条件へ反映すると、リストを継続的に改善できます。
ChatGPTと営業リスト作成ツールはどちらを使うべきですか?
大量の企業を網羅的に取得したい場合は、企業データベースが適しています。一方、定性的な条件で絞り込みたい、Web上の情報を確認しながら精査したい、条件を柔軟に修正したいといった場合は、ChatGPTが活用しやすいケースがあります。両方を組み合わせる方法も有効です。
ChatGPTのdeep researchは営業リスト作成に使えますか?
複数のWebサイトや情報源を横断して、特定の業界や市場を詳しく調査したい場合には選択肢になります(OpenAI「deep research のご紹介」)。
簡単な企業検索には通常のWeb検索、業界全体の調査や複数の情報源を組み合わせた分析にはdeep research、という使い分けが考えられます。

まとめ|AIによる営業リスト作成の価値は「大量生成」ではなく「ターゲット精度を高めること」
実際の営業支援業務でChatGPTを使って感じたのは、作業時間の削減以上に、「ターゲットに近い企業を探し続けられること」に価値があるということです。
- ターゲット条件と除外条件を決める
- 候補企業を抽出する
- 最低限の事実を確認する
- 本当に営業対象として適切か判定する
- 対象外になった理由を次の抽出条件へ反映する
- 営業する
- 営業結果を次のターゲット条件へ反映する
このサイクルを繰り返すことで、営業リストを少しずつ「営業しやすいリスト」へ近づけることができます。AIに大量の企業名を生成してもらうことが目的ではありません。
AIに調査・整理・一次判定を任せ、人は事実確認と営業判断に集中する。
これが、Passage株式会社が実際の営業支援業務でChatGPTとCodexを営業リスト作成に活用して感じた、実践的な使い方です。
Passage株式会社では、営業リストの作成だけでなく、ターゲット設計、テレマーケティング、インサイドセールス、営業結果の分析、バックオフィスまで、一連の業務を支援しています。
営業リストの作成から架電までをまとめて任せたい場合は新規顧客開拓(BDR)支援、リスト作成などの営業事務を任せたい場合はバックオフィスサポートをご覧ください。
「リスト作成だけで多くの時間がかかっている」「営業リストはあるものの、なかなか成果につながらない」という場合は、リストの作り方だけでなく、その後の営業プロセスまで含めて見直してみてください。

